2013年08月10日

タナ・セガール洋画劇場『ランボー』

皆様ご機嫌麗しゅう。FORTRESS WEB SHOPのタナ・セガールでございます。

小生が独断と偏見にまみれつつ選んだおススメ洋画(たまに邦画もあるかも)を、気が向いた時にのんべんだらりとご紹介する『タナ・セガール洋画劇場』(※ネタバレ御免)!

通算第8回目となります今宵のお題はコチラ!↓
タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
『ランボー (原題 FIRST BLOOD)』
1982年に公開された、シルヴェスター・スタローン主演のアクション映画!現時点で4作製作された人気シリーズの、記念すべき第1作目であります!
ちなみにランボーというタイトルは日本公開時に配給元の東宝東和が付けたものでしたが、その語感の良さから本家米国でも2作目以降、このタイトルが用いられるようになったという逸話がございます。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲原作はデイヴィッド・マレルの小説『First Blood』(邦題 一人だけの軍隊/ハヤカワ書房刊)で、当時アメリカで問題となっていたベトナム帰還兵を題材とした作品であります。
戦場で心身ともに大きな傷を負い、社会から爪弾きにされた帰還兵『ジョン・ランボー』の悲劇と怒りを描き、単なる脳筋系アクション映画に成り下がってしまった後のシリーズとは一線を画した、重厚なテーマを内包しています。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲原作は確か1972年の刊行だったと思いますが、映画の方はベトナム戦争終戦から7年後に当たる1982年が舞台となっています。戦争の傷跡が、まだアメリカ全土に暗い影を落としていた時代ですね。

せっかく五体満足で戦場から帰ってきたのに、帰還兵に冷たい世相のおかげで職にも付けず、旧交を温めようと訪ねた数少ない戦友は枯葉剤の後遺症で既に病死していたりと、冒頭からランボーの置かれた厳しい状況が描写されまくります。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲行く当てもなく放浪していたランボーは、オレゴン州のホープという田舎町に立ち寄りますが、その粗末な身なりを保安官のティーズルに見咎められ、町から追い出されてしまいます。
理不尽な扱いに反感を抱いたランボーは意地になって町に戻ろうとしますが、怒ったティーズルの手で風紀紊乱/浮浪罪の容疑であえなく逮捕される事に。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲最初はおとなしく逮捕を受け入れたランボーでしたが、留置先の保安官事務所での虐待の数々によって戦争中のトラウマ(※北ベトナム軍の捕虜になった時に受けた拷問によるもの)がよみがえり、半ば錯乱状態になりながら保安官たちを殴り倒して逃亡!地元警察総出で追跡が開始されます。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲自身も朝鮮戦争の帰還兵であるティーズルは、逃走したランボーの逮捕に執念を燃やします。HK93やAR-15といったライフルで武装した警官隊に対し、ランボーの武器は逃亡の際に奪い返した愛用のサバイバルナイフ1丁のみ。
しかし身に着けていた認識票をもとに軍へ身元を照会した所、実はランボーが陸軍の精鋭中の精鋭である特殊作戦部隊『グリーンベレー』の元隊員であり、ゲリラ戦のプロフェッショナルであることが発覚するのでした。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲若造にコケにされてブチ切れたティーズルの部下ゴールトは、崖を伝い降りようとするランボーをヘリで追撃。逮捕では無く射殺しようとしますが、ランボーはとっさに拾い上げた石を投げつけ、それをよけようと姿勢を崩したヘリからゴールトは放り出され、転落死してしまいます。(※不幸な事故。)だからあれほどシートベルト締めとけっちゅうたのに!

ちなみにこのシークエンスで、ランボーが崖下の木々に向かって飛び降りるシーンがあるのですが、スタントマンを使わずにスタローン自身が演じたそうで、その時に肋骨を何本か折る大けがを負ったそうな。
他にも撮影中に撮られたスティル写真の背景に、ベレー帽をかぶった男の姿(グリーンベレー隊員の霊?)が映り込んだだとか、妙な逸話には事欠きません。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲崖から飛び降りた際に腕を負傷したランボーは、抵抗をあきらめて投降しようとしますが、テンパった警官隊に銃撃され結局逃げ惑う羽目に。ホンマ駄目駄目なお巡りさんたちやなあ。
ここでランボーが、負傷した上腕の傷をナイフのハンドルに収納したサバイバルキットの針と糸で縫うシーンがありますが、このシーンなんと特殊メイクでは無く、撮影中に実際に負った切り傷をスタローン自身が麻酔なしでチクチクと縫ったとか。どうりでリアルなはずだわ!
若き日のスタローンのバカ役者っぷり、もとい役者バカっぷりに脱帽です!



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲投降の道を断たれたランボーは遂に徹底抗戦を決意し、無数のブービートラップと隠密戦闘術により、警官たちを一人また一人と戦闘不能に追い込んで行きます!
追い詰めたティーズルの喉元にナイフを突きつけながら『町じゃお前が法律かも知れんが、ここ(戦場)じゃ俺が法律だ!これ以上俺にかまうな!』と凄むシーンからは、怒りを押し殺しながらもこれ以上無益な殺生はしたくないというランボーの内面が見て取れます。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲保安官事務所レベルではこれ以上対応できないという事で、州警察がランボーを追う事になりますが、命からがら戻ってきたティーズルの前に、かつてランボーの上官を務めたグリーンベレーの将校サミュエル・トラウトマン大佐が訪れます。
ちなみに原作では階級が『大佐』では無く『大尉』で、ランボーとも直接の面識がなく、彼が訓練を受けた特殊作戦学校の校長を務めていた将校という設定でした。

視界の開けない森林地帯はランボーにとって言わばホームグラウンドであり、これ以上警官隊を送り込んでも棺桶の山を築くだけ。彼を山から一旦逃がしたうえで冷静になる時間を与え、他州へ移動するタイミングをとらえて逮捕すべきだと大佐は助言しますが、ティーズルは聞き入れず、数百名の州兵を動員して山狩りを開始します。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲ランボーはイノシシを仕留めて食料を確保し、放棄された炭鉱跡に隠れ潜みます。粗末な食事をとりながら警官から奪った無線機を傍受していると、そこから聞き覚えのある声が。
部下への点呼という形で接触を試みるトラウトマンの呼びかけに、『…みんな死にました…』と沈痛な声で応答するランボー。

なんとかランボーを投降させようと必死に説得を試みる大佐でしたが、『先に手を出したのは(First Blood)奴らの方だ!俺じゃない!』と、ランボーは頑なな態度を崩さず、無線のスイッチを切ってしまいます。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲翌朝になってランボーの隠れた炭鉱跡を州兵たちが発見し、包囲を開始。ところがどっこい、こいつらパートタイムのいわゆる『ウィークエンドソルジャー』という奴で、ぶっちゃけ兵士としては烏合の衆だったりします。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲周囲を囲む州兵たちにひるむことなく、警官から奪ったM16A1を撃ちまくるランボー!
小生、長年にわたってなんとなくスタローンは右利きだと思い込んでいたのですが、本来は左利きなんだそうで、右手で銃を扱うシーンはシナリオ上の演出に合わせて演技をしているんだとか。
だからナイフのシースを左腰に付けてるんやね。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲ランボーの反撃にビビった州兵は、何をトチ狂ったのかM72A2ロケットランチャーを持ち出すと、炭鉱跡に向けてドッカーン!
ランボーは崩落したトンネル内に閉じ込められてしまいます。
凶悪犯を仕留めて浮かれ騒ぐバカ州兵たち、しまいにはトンネルの前で記念撮影まで始める始末で、ティーズルに『お前ら何してんねん!』と大目玉を食らいます。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲ところがどっこい、ランボーは迷路のような炭坑内からしぶとく脱出し、撤収しようとする州兵のトラックからM60多用途機関銃を強奪するとホープの町に舞い戻ります!最早心の内にあるのはティーズルへの復讐心と破壊衝動のみ!(鬱憤たまってたんやね。)
『おんどれら、覚悟せえや!』



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲送電線を破壊して町全体を停電させ、さらにガススタンドや銃砲店に放火し、ホープを混乱に極みに叩き込むランボー!
流石元グリーンベレー、破壊工作の手口がエゲつないですねえ。


タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲住民たちを町から避難させたティーズルは警察署の屋上に陣取り、ランボーを迎え撃ちます。たった1日で事態がとんでもない事になってしまい、なんかもういっぱいいっぱいな感じのティーズルさん。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲ちなみにこのティーズルさん、原作ではランボーやりあっているうちに彼に妙なシンパシーというか連帯感のようなものを抱くようになり、最後はボロボロの体にムチ打ちながら『あいつは俺が倒さなきゃいけないんだ!俺が行ってやらなきゃ!』とばかり、戦いに赴いて行きます。同じコンバットベテランとして、どこか通じ合うものがあったんでしょうねえ。
まあ映画版の方だと、お約束な感じに『卑劣で小心者の子悪党』という描写になっておりましたが。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲ついに警察署に足を踏み入れたランボーは、屋上へと続く天窓越しにティーズルと対決!しかしティーズルさん、20発マガジンのアサルトライフルでベルトリンク給弾のマシンガンと撃ちあうのは少々無謀だったようで、あえなく両足を撃ち抜かれて室内に転落!追い詰められてしまいます。
止めを刺そうとティーズルににじり寄るランボー。しかしそこに事態の推移をあえて見守っていたトラウトマンが現れ、傷ついたティーズルをかばうように立ちはだかります。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲警官隊に十重二十重に取り囲まれ、それでもなお戦いをやめようとしないランボー。武器庫から大量の銃器を持ち出し、徹底抗戦の構えを崩さない彼にトラウトマンが言った『もう良いジョン、お前の戦争は終わったんだ!』の言葉に、ランボーは押し殺してきた感情を遂に爆発させます。
『まだ終わっちゃいねえ!』

徴兵されて国の為に戦地に赴き、望みもしなかった地獄を数年にわたって味あわされ、やっとの思いで復員してみれば、国内でぬくぬくと反戦運動なぞやっていたヒッピー連中に人殺しだの強姦魔だの赤ん坊殺しだのと聞くに堪えない罵詈雑言を投げつけられ、慎ましく喰っていこうにも駐車場整理の仕事にすらつけない。
軍隊にいたころは部隊の同僚全員が家族のようなもので、お互いに助け合ってきた。しかしその戦友たちも、もうこの世にはいない。

激昂した怒りの声が次第に尻すぼみになり、ランボーは帰還兵に対する世間の冷たさと自らの境遇の惨めさに嗚咽しながら、トラウトマンの胸に顔をうずめて子供のように泣きじゃくります。そんなランボーを、悲痛な面持ちでただ抱きしめてやるしかないトラウトマン。
泣けるシーンです。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲原作『一人だけの軍隊』のラストでは、散々暴れ回ったランボーも最後は重傷を負って追い詰められ、工事現場から盗んできたダイナマイトで一思いに自爆しようとしますが、導火線に火をつける前にトラウトマンにショットガンで頭を吹っ飛ばされ、あっけない死を迎えます。

映画の方も当初ランボーが死ぬエンディングを予定していたそうですが、試写会における評判が良くなかったのと、プロダクション側の続編製作の意向から脚本が改変され、最終的に大佐の説得に応じて投降するという形になりました。
上の画像は最初の脚本に基づいて撮影された未公開シーンで、生きる事に絶望したランボーが大佐に銃を渡し自分を撃つよう懇願、彼を哀れに思った大佐の手で引導を渡されるという幕引きになっていました。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲この作品の公開時、大きな話題となったのが、ランボーの愛用するサバイバルナイフ。アーカンソーにワークショップを置いていた高名なカスタムナイフスミス、故ジミー・ライル氏の手によるもので、もともとは特に映画用として作られたものでは無かったそうです。
ナム戦中グリーンベレー隊員や空軍パイロットに愛用者の多かったランドールの名品『モデル18』の基本デザインをアレンジし、ブレードの形状をソウバック仕様のボウイスタイルにアレンジしたようなフィーチャーで、ナイフコレクターとして個人的にライル氏と親交のあったスタローンがこれを気に入り、自作に登場させたとか。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲以降ランボーナイフと称するレプリカ品(とも呼べないようなもの)が数多く出回りましたが、総じて造りが粗悪なものが多く、とても実用に耐えるような代物ではありませんでした。ひどいものだとハンドルの付け根でブレードが折れちゃったり。(※経験者は語る。俺だよ俺。)
まあ、タング(中子)を大きく作れないパイプハンドルタイプのサバイバルナイフを低クオリティで作れば、自ずとそうなるわな。こういう非実用系ナイフに手を出すのは、中学2年の年頃までにしておきましょう!(※そりゃアンタの事やないかい!)

ちなみに数本製作されたオリジナルのFIRST BLOODナイフのうち1本は、スタローンが自分用にガメたそうな。



タナ・セガール洋画劇場『ランボー』
▲シリーズ2以降になるとバカスカと銃を撃ちまくり、爆破しまくり、ただひたすらに敵を倒していくボディカウント(死体勘定)ムービー(それも嫌いじゃないけど)と化してゆくランボーシリーズですが、こうして原点を見返してみると劇中一人しか死者が出てないんですねえ。(その一人も事故死だし。)ちょっと意外な気も致します。
まあ、相手はいちおう(人格にちょっと問題があるとはいえ)田舎町を守ってるお巡りさんたちだし、やり過ぎるとランボーが単なる悪役キャラになっちゃいますからねえ。あ、既にやり過ぎか。



それではまた、ネタが集まったころに『タナ・セガール洋画劇場』でお会いしましょう!サヨナラ!サヨナラ!サヨナラ!





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Posted by フォートレスWEBショップ  at 21:00 │Comments(0)タナ・セガール洋画劇場

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