2016年09月30日

タナ・セガール洋画劇場『ノーカントリー』

皆様ご機嫌麗しゅう。FORTRESS WEB SHOPのタナ・セガールでございます。

小生が独断と偏見にまみれつつ選んだおススメ洋画(たまに邦画もあるかも)を、気が向いた時にのんべんだらりとご紹介する『タナ・セガール洋画劇場』

今回ご紹介いたします作品はコチラ!↓

タナ・セガール洋画劇場『ノーカントリー』
『ノーカントリー』(原題 No Country for Old Men)
2007年に公開されたコーエン兄弟監督によるサスペンス・スリラー!
アカデミー賞4部門(作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞)受賞を果たした作品としても知られるところですね。



タナ・セガール洋画劇場『ノーカントリー』
▲原作はコーマック・マッカーシーの小説『血と暴力の国』(No Country for Old Men)で、原題は『ここは年老いたものの住まう土地にあらず』というウィリアム・バトラー・イェイツの詩『Sailing to Byzantium』の第一句から取られたもの。
テキサスのメキシコ国境周辺を舞台に、ハンティング中に麻薬取引に絡んだ銃撃戦でギャングが相討ちとなった現場を偶然発見してしまった男が、残されていた200万ドル以上もの大金を持ち逃げしたことから、アメリカのマフィアとメキシコのカルテル双方に追われることになるというストーリー。

物語の語り部となっているのは事件を追う保安官であり、人心が荒廃し残虐な事件が頻発する現代のアメリカを憂うエド・トム・ベルという人物で、演じるは宇宙人ジョーンズのCMで日本のお茶の間でもすっかりお馴染みの名優トミー・リー・ジョーンズであります。



タナ・セガール洋画劇場『ノーカントリー』
▲ギャングの金を持ち逃げする男ルウェリン・モスを演じたのは、ジョシュ・ブローリン
いかにもぶっきらぼうなテキサスの男という役柄ですが、ヴェトナム戦争に2度にわたって出征した帰還兵ということもあり、度胸の据わった人物として描かれております。
作中の時代設定は1980年なので、ヴェトナム戦争の記憶がまだアメリカ社会に生々しく残っていた頃ですね。
ちなみに原作ではベトナム戦争に従軍していた際は狙撃手を務めていたという記述がございます。



タナ・セガール洋画劇場『ノーカントリー』
▲アメリカ側のマフィアから金を回収すべく送り込まれてくるのが、素性不明の殺し屋であるアントン・シガーという男。おかっぱみたいな気色の悪い髪型といい、一切の感情が剥落したような昆虫じみた面立ちといい、もう全身から立ち昇る不審者オーラが凄いですねえ!
演じるは007 スカイフォールでボンドと対決する元MI6のエージェントラウル・シルヴァ役を存在感たっぷりに演じたスペイン出身の名優ハヴィエル・バルデムであります。

関係ないけど、シガー(Chigurh)という苗字は、正確には後半にアクセントのあるシュガー(シュ↓ガー↑)みたいな発音になるそうです。



タナ・セガール洋画劇場『ノーカントリー』
▲この作品を語る上で絶対にはずせないのが、このアントン・シガーの強烈な存在感!冒頭の保安官殺しを皮切りに、通りがかりの一般人(※車を奪うため)、自分の雇い主(!)であるマフィアに所属する下っ端構成員と、本来のターゲットであるルウェリン以外の人間も片っ端から殺していきます。それでいて殺しを楽しんでいるような様子もなく、能面のように無表情なまま淡々と殺戮を繰り返すところが凄え怖い!
一方劇中頻出するコイントスによる賭けを始め、自ら決めた規範には極めて忠実で、負傷の痛みをものともせずに銃撃戦で負った銃創を自ら治療(※治療というよりターミネーターが故障箇所を修理してるみたい!)する克己心もあり、与えられた仕事は絶対に投げ出さない忍耐強さも持っています。

そのキャラクター造形に対し、並み居る映画の中のサイコキラーたちの中で唯一リアルなサイコパスといえるキャラクターであると、精神医学者がお墨付きを与えたとか。



タナ・セガール洋画劇場『ノーカントリー』
▲ガンマニア的に気になる登場銃器関係ですが、マフィアの連中の武装としてイングラムMAC10やノリンコ56式(AKの中国製コピー)、UZIやSP89(MP5Kのセミオートバージョン)等の自動火器やM1911系、グロック19といった銃器が登場。
あえて重箱の隅をつつかせて頂くと、グロック19やSP89は舞台となる1980年当時にはまだ米国市場に存在しておりませんでしたが(※グロック19の米国市場における発売は1983年以降、SP89は89年頃)、これらのチョイスは原作の記述を忠実に反映した結果。

ルウェリンは銃撃戦の現場で拾ったクローム仕上げのコルトシリーズ70ガバメントの他、スポーツ用品店で買い求めた後、ストックやバレルを切り詰めてソウドオフ仕様にしたウィンチェスターM1897ショットガンを主に使用しています。

ベル保安官はコルトMK-Ⅳシリーズ70系ガバのカスタムモデル(リングハンマー&カスタムサイト仕様/コルト純正のコンバットガバメントかも)と思しき銃をベルトスライドホルスターに挿してますが、銃を抜くシーンこそあるものの発砲シーンはありません。
原作では44-40口径のシングルアクションリボルバーを携帯しているという記述がありますので、多分コルトSAAあたりでしょう。



タナ・セガール洋画劇場『ノーカントリー』
▲シガーはサプレッサー付きのKG-9(※TEC-9かも。だとしたらこれまた時代考証に合いません)等も使用していますが、メインアームとしてはもっぱらこのお手製サプレッサー付きレミントンM11-87セミオートマティックショットガンを使用。(更に重箱の隅をつついて申し訳ありませんが、この銃も1987年発売なので時代考証に合ってません。)
静かな射撃音とそれに似合わない凶悪な殺傷力が、シガーの不気味さをよりいっそう際立たせております。



タナ・セガール洋画劇場『ノーカントリー』
▲シガーを象徴するもう一つの武器が、このキャプティブ・ボルト・ピストルという代物。一見消火器みたいに見えますが、本来は屠畜用として用いられる道具ですね。



タナ・セガール洋画劇場『ノーカントリー』
▲先端部を家畜の眉間に押し当てて引き金を引くと、圧縮空気の圧力で金属製のボルトが打ち出され、一瞬で安楽死させられるというもので、例えるならちっこいパイルバンカー
使用後はボルトがスプリングで本体に引っ込むようになっているので、銃と違って薬莢や弾頭などの痕跡を現場に残さないという利点もあります。
施錠された家屋に侵入する際も、コイツでドアの鍵を撃ち飛ばしたりしています。



タナ・セガール洋画劇場『ノーカントリー』
▲アメリカ側の麻薬組織がシガーに対するお目付け役兼金の回収係として送り込んでくる、ちょっぴりチャラい感じの探し屋カーソン・ウェルズ役で、お騒がせ俳優ことウディ・ハレルソンが出演。
軽薄な印象に反して探し屋としての腕は確からしく、わずかな時間の間にメキシコに逃れていたルウェリンを見つけ出していますが、『おとなしく金を返すなら、俺がシガーから守ってやる』と取引を持ちかけるなど、チンピラ風な顔に似合わず意外と紳士的。
しかし自分の仕事の邪魔をするものは、たとえ味方側の人間であってもすべからく排除するという信条を持つシガー相手では、ちょっとばかり分が悪いですよねえ~。

映画版のイメージとは異なり、原作ではベトナム戦争中特殊部隊の中佐だったという過去が語られており、なんか意外な感じも致します。



タナ・セガール洋画劇場『ノーカントリー』
▲ベル保安官の助手を勤めるウェンデルを演じるのはギャレット・ディラハント。TVドラマ『ターミネーター・サラコナークロニクル』で、ターミネーター T-888/ケスター捜査官を演じていた俳優さんです。
強面なターミネーター役やってた頃と違って、ちょっと頼りない感じのいかにも田舎の保安官助手といったキャラクターを演じております。



タナ・セガール洋画劇場『ノーカントリー』
▲ストーリー的には意図的に状況を分かり難くしているところもあり、登場人物の行動や心理描写についてネット上でも様々な考察が飛び交っています。それだけに何度も観たくなるような面白さがございますねえ。

インタビューなどでハヴィエル・バルデム自身が、『アントン・シガーって気持ち悪いキャラだよねえ。特にあの髪型とか!』みたいなこと言ってるところが笑えます!
バルデムさん本人は、少し痩せて髪型をきっちり整えてさえいれば、ちょっと濃いめなラテン系の男前なんですけどねえ。



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それではまた、『タナ・セガール洋画劇場』でお会いしましょう!サヨナラ!サヨナラ!サヨナラ!

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Posted by フォートレスWEBショップ  at 21:05 │Comments(2)タナ・セガール洋画劇場

この記事へのコメント
友人が見てきて、すげー怖かった(小並感)
と言ってたのを思い出しました。
時間がなくて行けませんでしたが、今度レンタルしてみます。
Posted by とーりすがり at 2016年09月30日 22:14
この映画、怖いです。
具体的には、バナナマンの日村勇紀さんのお顔を拝見するたびに思わず戦慄してしまうレベルのトラウマが心に刻み付けられます!
Posted by フォートレスWEBショップフォートレスWEBショップ at 2016年10月05日 21:30
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